9月17日の京都ひぐらし日記

皆さま

朝起きたら、マガジンハウスという出版社でムックの編集者から岩波書店の山本さんの紹介でメールを送るとありました。
発売は11月4日予定で「移住のすすめ」(仮題)というムックを作っていて、企画のコンセプトは「移住のスタイル」「移住のカタチ」です。
テーマは、住みたい街に住み、新たな人生に出合おう、ということです。
実際に移住した人に取材し、その生活などを紹介することによって、移住に憧れを持つ読者にアピールするという内容です。
『定年後、京都で始めた第i二の人生』を読んで、移住に対してて独自の視点を感じ、ぜひ会いしたいと思いましたとありました。
また、著書の紹介をするとのこと。有難いことです。

もう一通、『寺谷さん:今日はまひろにお返事ありがとうございます!嬉しそうに1人でこっそり読んでました(笑)』
返信『関さん:妻のまひろちゃん宛ての手紙、よかったです。自分あてに来ることが大事だと思います。 文字を勉強のために覚えるのでなく、コミュニケーションのために獲得することが大切 です。まひろちゃんが意志を伝えるために手紙を書くと言うところに意味があると思って います。』

朝は、新しいことに出会えます。朝になるのが楽しみです。
そして、夜、全ての仕事を終え布団に寝られるのが楽しみです。

寺谷篤志

9月14日の京都ひぐらし日記

皆さま

暑い日がまだまだ続いています。体調に気をつけてください。

本日、澤田廉路氏と北京外国大学の宋金文先生とメールの遣り取りで、「「地方創生」から「地域経営」へ」の中国翻訳本の表紙絵を描くため、10月21日から24日、澤田さんが北京を再訪することになりました。

朝日新聞の本日付け「折々のことば」で、演歌歌手小林幸子が言った。
「思い込みを捨て、思いつきを拾う」、の一つの事例になりました。
北京の絵が描けましたら、次の思いつきに期待しています。

寺谷篤志

9月1日の京都ひぐらし日記

皆さま

智頭町に2006年から81世帯の189人方が移住している。
そして、「智頭町移住キャラバン」では、ここ6年で100人の親子の移住と表記されている。
移住者は智頭町に何を求めて行っているのだろう。森の幼稚園に入らせるためか、どんな仕事をやっているのか、どこからきたのか、所得はどれくらいか、定住するか、さらに移住するか、どんな生活スタイルなのか、大変関心がある。
もし、森の幼稚園に入れるためだとするならば、各地に森の幼稚園を設置すればよい。そんな単純なものではないかもしれないが?

寺谷篤志

8月25日の京都ひぐらし日記

皆さま

智頭町は26日福岡、27日大阪、28日東京で、「智頭町移住キャラバン」と銘打って、森のようちえん&移住相談会を出前で開催する。

智頭町(人口7070人)への移住世帯は2006年から2016年で187世帯、ここ6年で100名の親子が移住したと伝えられる。
智頭町と森のようちえん、田舎のパン屋タルマーリーの日本発のキャラバンの反響はどうだろう?

朝日、天声人語で東京都の桧原村(人口2300人)に「村営スーパー」が開店したとのこと。まさに、地域の生活拠点である第三セクターを立ち上げて、肉や魚や卵や牛乳を売られる。
地域単位が持つ意味、ここに地域の生きるか死ぬかの瀬戸際がある。
先般、小田切徳美先生が答申された小さな生活拠点設置構想は、地域で生活していくための欠かせない生活インフラとなる。

智頭では地区版のゼロイチ運動で各地区振興協議会を智頭町の認定法人と位置づけている。企画書で示しただけでパブリックな動きとなった。
必ずしも法人格を持つ必要はないようだ。旧村という歴史的背景を考えて導入した。資料の中からお届けします。

寺谷篤志

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8月20日の京都ひぐらし日記

皆さま

先日、立命館大学山口洋典氏が内モンゴルの「内モンゴル大草原交流館」(2005年冬、地域と科学の出会い館で増田、山口、寺谷で構想を練ったものです。)に入りました。交流館は増田達志氏が内モンゴルの沙漠緑化の活動を推進するため、2006年7月、有志の支援を受けて建設したものです。

私も、2008年9月、北京オリンピック開催直後に北京空港を経由し、フフホト空港に下り立ちました。あれから満8年になります。
その時の同行者は、加賀田英夫君、橋本達夫君です。しかし、橋本君は故人となりました。交流館に泊まった時、シャワーの水が出ません、これは何とかしなければと、太陽熱温水器の設置を試験的にやってみようと提案しました。
三人で各2万円の6万円を酔った勢いでカンパしました。

それは冬場、氷点下20度になるということを聞いたものですから、まず、設置して一冬越せば、有用性が分るだろうと判断してのものでしたが、昨日、山口先生からフェィスブックで機器が活用されていると連絡を受けました。
ところが元々の水が少ないとのことです。これまた放っておけず、増田、山口氏に井戸掘りのための内モンゴルクラウドファンテングの実行を提案しました。
北京の翻訳本の表紙絵の話と、内モンゴルの井戸掘りの話が一度に進んでいます。

狭い了見を持たず、若い人の後を押す仕事がしたいと思っていましたが、ここに来て一度に二つのプランが動きます。また、皆様には途中経過をお知らせしますので、場合に、興味本位に話に乗ってください。
見渡す限りの大砂漠地で、草を枕に昼寝をしたことを思い出します。

寺谷篤志

8月19日の京都ひぐらし日記

皆様へ

 

 北京の宋先生との創発が決まった。

 澤田廉路氏の絵を《「地方創生」から「地域経営」へ》の中国語翻訳本の表紙にと連絡を受けました。澤田さんは、私の拙著《定年後、京都で始めた第二の人生》岩波書店の表紙絵を描き、翻訳本の表紙絵を描くことがほぼ決まりました。皆様に報告したく=日暮し京日記=をお届けします。

 今年、6月24日から27日の四日間、北京外国語大学日本学研究センターの宋金文先生をお訪ねして、2009年から北京の果樹園の杜造りの資金、年5万円を送金してきましたが、2016年が10年目の最後ということで宋先生に直接手交するべく訪問しました。その際に澤田さんは添付の北京紀行文に4枚の絵を描き、再訪問して翻訳本の表紙絵など、描いて来ると言っています。表紙絵と合わせて何枚かの絵ができます。

 

 私がどうしてこのように創発に挑戦しているか、これまで私に対する叱咤激励の言葉に対する挑戦でもあります。

 1989年9月、スイスの山岳地の調査の帰り道に飛行機の中で、同行いただいたある財団の主任研究員に話しました。私は智頭町という小さな町だけれども、世界に誇れる、日本の地域に提案できる地域づくりを行っていきたい。と話しました。それを聞いたその研究員さんは『寺谷さんは小さなことを大げさに言う』と切り返しました。なにくそと思ったので成田までの11時間、一言も語りませんでした。

 また、小学校の元教師が『寺谷が10億円持っていたらまちづくりなど、みんなが言う事を聞く』と言われました。「それは差別発言だ」と言ったことがあります。

 そして、京都に移住してある方が、『寺谷がやっていることは智頭の限られた地域の事であり、京都のマンションという小さな世界のことをやっているに過ぎない』と、言われました。

 それから、昨年、《地域経営》の本を翻訳して中国に届けたいと言いましたら『国家体制が異なるので四面会議システムなど通用しない』と一笑に付されました。ところが、宋先生に相談したら、『いずれ中国も各地の活性化は大切で、考え方や思考のデザインや四面会議システムが必要となる、是非とも翻訳したい』とお話しをいただき、今年度中に日本学研究センターの事業として出版されることになりました。やっぱり誠実に向き合う信義から進展しました。

  お前がやっていることは小さい事と言われますが、どうして物事の理が分らないのだろうかと不思議でなりません。雨の一滴も、集まると滝のようになり、大河の濁流を作ります。それと同様に小さな身の回りのことに価値を見出せば、必ず成就するのです。小さい大きいは、たまたま捉える時点のことであって、小さなことが集まって大きくなるのです。小さい事を笑う者はおそらく人生が大成しないでしょう。

 伝教大師最澄は「一隅を照らすは国宝なり」と諭されました。まさに混迷の社会です。毎日殺人事件が起こります。命の大切さ、人の大切さや尊さを小さい、ささやかだと思っているから事件を起こるのです。身近な家族、隣近所、地域社会、たまたま乗り合わせた隣人を大切にして一隅に生きることが大事と心得れば違ってきます。小さな事に物事の真実と真理があるのです。小ささを笑う者は身近の信頼を失うことになります。

 如何に高学歴であろうと、現職中高いポジョンにあっても一人の人間です。

一円を笑う者は一円に泣くことになります。物事の小ささを笑う者は事の大事を理解していないことで、それは不幸の始まりです。私に小さな事と嘲笑い投げられ侮辱と屈辱の言葉はそっくりお返ししたい。智頭での実証実験は国の政策となり、中国に提案できます。「地域経営」の概念も、「思考のデザイン」も、「四面会議システム」も地域を越え、国を超えました。これが私の“論より証拠”の恩返しで、27年掛けて見事に勝ち取りました。

 次なる「創発」は、澤田さんが描きあげた絵を元に「絵葉書セット」を作り、クラウドファンテングで資金を調達し、北京外国語大学の売店で「本」と「絵葉書セット」を販売して、果樹園植栽のための活動資金を捻出するという企画です。さあ、どこまで実現できるか楽しみです。

 澤田さんの一枚の表紙絵は日中友好の証であり、その絵葉書セットは北京の果樹を育ててきっと多くの実をつけるでしょう。一枚の絵を描く、小さな一歩は国宝の一歩です。北京での新たな展開に期待しています。

2016年残暑

 寺谷篤志

 

 

8月16日の京都ひぐらし日記

皆様へ


昨夜は、五山の送り火、大変な雷雨となりましたが、我が家のマンションの廊下で中国の北京外国語大学を卒業し、京都大学に留学してこの度9月3日付で中国四川大学災害復興管理学院に赴任する孫英英さんと、弟さんの孫規外君(京大修士課程留学)の二人が訪ねてくれて、一緒食事をして北の大文字と舟形を見ました。
それからオリンピクの卓球を見ました。伊藤美誠ちゃん、福原愛石川佳純の三人が頑張って銅メダル、メダルを取った瞬間は何時みても良いものです。このオリンピックで活躍した選手の後ろには名監督、名コーチがあることをつくづく感じます。
確かに戦っているのは選手ですが、戦う心と技術を背後でアドバイスをしているのはスタッフの方々、まさに、共同、共有、協働の結果のメダルだと思いました。
監督やコーチが選手の不足や不平を言っているチームの結果は推して知るべしで、ちなにみに実社会(家族や隣近所、組織内や師弟関係等)でも同じことが言えるようです。
朝日新聞の大村記者から取材の礼状をいただいて、「今回の寺谷さんの御本は多くの示唆を与えてくれる名著だと思います。」と評をもらいました。一生懸命書きましたので、大変嬉しく思います。 また、北京の宋先生から〈仕事と暮らしの研究所〉の鹿野和彦氏と版権契約をしたいと連絡がありました。
それから宋先生との遣り取りで中国語翻訳本の表紙の絵を澤田廉路画伯に描いてもらうよう進めています。これまた日中友好の証になります。澤田さんの中国版絵葉書セットが実現するかもしれません。「創発」的思考と実践は、関係性を豊かに豊かにします。つまり、信じる者が救われるということでしょう。
利己主義の考え方は、目の前の損得に走りますが、利他主義のギブ&ギブの思考は、社会や世の中や人との関係が大きな力によって包まれ循環していることを知ることだと思っています。つまり、南方熊楠の南方曼荼羅であることを認識すると、より豊かな生き方ができるようです。その旧き言葉は「お陰様」の一言です。物事の影を、背景を意識すればいろんなものが観えてきます。
そして、またまた昨夜のことですが、内モンゴルの砂丘地の植林をしている増田達志氏から、2008年9月に友人三人と訪問した際、風呂のシャワーの湯や水がでなくて、それではと同行した加賀田英夫君と橋本達夫氏にお願いして6万円の軍資金を作り、屋根の上に実験的にサンヒーターを設置するようお願いしました。(冬場氷点下20度の極寒の池)その後の様子を聞いたところ、何とこれが起動しているということが分りました。
実に8年振りに役立っていることを知りました。これは何も増田氏に皮肉を言っているのではありません、そんな小さな根性では支援はできません。彼が旧小学校の跡地利用をし、施設の借り上げをしているのは、その2年前に「地域と科学の出会い館」で立命館山口洋典先生と私の三人で、内モンゴルの小さな家構想を立てて、身近な人たちにお一人10万円出資してスタートしたもので、私の周りの人たち10人から100万円を増田氏の活動に支援しています。そして、砂漠は少なくとも緑化されています。
このように私にとってはその時、その時、精一杯誠意を持って対応したことによって、今、人生の金メダルをもらっているような気がしますが、それらはみな様に応援していただいた方々との協働の結果です。そこが嬉しいで、有難いことです。
寺谷篤志

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今朝の知人のメールです。

朝日の記者が、短時間のインタビューであれだけの記事が書けるのは素晴らしいと思っていたが、「名著」と言えるまで読み込んでいることにも敬服です。
これが次のステップへの強力な追い風になることでしょうね。
中国の対応も立派、やはり根底は「信義」ですね。
昨夜は、せっかくNHKが大がかりな中継をやっていたのに、「大」が雨に霞んで見えなかったのは残念でした。
でもこれで猛暑も一段落でしょう。
お元気で!・・・・・TY


寺谷先生
DTPデーターを出版社に確認しましたら、使えるそうです。たいへん助かっていると、感謝の意を伝えてくださいということです。
また、知識産権出版社から版権の打診がありました。版権の購入に当たって、日本の出版社の名前、連絡方法、版権の代理会社の有無、(あるなら代理会社の名前と連絡方法)、および購入条件を教えてほしいということです。
その情報に基づいて版権の購入の手続に入りたいということです。
どうぞよろしくお願いします。 宋金文